腰椎は5つの椎骨と1つの仙骨、そしてそれぞれの骨の間にある
椎間板というクッションからできています。
腰椎の椎間板が圧迫され中の髄核(軟骨組織)が
外に飛び出してしまっている状態を「ヘルニア」と言います。
ヘルニアによる痛みは神経を圧迫しているだけではなく
その部分に炎症が起こって痛くなっていると言われています。
椎間板ヘルニア治療目標は、出っ張ってしまったヘルニアを
引っ込めることではなくその部分の炎症をとることです。
以前はヘルニアは引っ込まないと考えられていました。
しかし、近年MRIで経過を観察していますと、
中には出っ張った部分がなくなったり縮んだりする場合もあることがわかってきました。
また、手術を受けた患者さんと、受けなかった方を比べた研究報告があります。
1年後では手術を受けたほうが良い成績でしたが、4年後にはほとんど差がなくなったというものです。
ですから椎間板ヘルニアは、もちろん例外もありますが数年の間には治ってしまうといえます。
その事例から全てのヘルニアが神経を圧迫しているわけではなく
関節の歪みやヘルニアが出ている周囲の機能障害によって痛みが出現している事例の方が
多いように思われます。現にヘルニアがあっても痛みのない方や、ヘルニアがなくなってなくても
しびれが消失したり当院で行っている手技療法で症状が改善している現状が
手技療法が適応しているということになります。
時間と共に元の位置に戻らない物は、周囲の軟部組織(筋肉など)が短縮した状態のままになっていたり
拘縮を起こし関節間を狭めたままになっていることが予想されます。
腰椎椎間板ヘルニアの診断方法は、理学的所見と画像診断とを合わせて診断します。
理学的所見で有名なのはSLRテストと呼ばれるもので、
これは膝を伸ばした状態で下肢が何度上がるかを診るものです。
その他にはしびれている範囲、下肢の筋肉の出力具合などを調べます。
画像診断としてはMRI検査・CT検査・脊髄造影・椎間板造影・神経根造影などがあります。
精密検査をし状態を確認するのも一つの手ではあります。
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