ボルタリングでの怪我について
ボルタリングでの怪我について
高いところに登り落ちるという行為を繰り返すボルダリングにケガはつきものです。
分厚いマットが敷かれ、平らな下地で登れるインドアのボルダリングジムはテクニックを向上させる上で欠かせない存在といえます。インドアでの事故や怪我の報告は後を絶たず、半分以上を占めるのが着地時のケガです。それに次ぐのがムーブ中に体の関節や筋肉に負担がかかったことが原因によるものが多いです。
1、着地
落ちる場所は意識しながら登ること。
まず気をつけたいのはマットの端の段差を踏んだり、はみ出したりしてしまうことです。ボルダリングジムは落ちる範囲を想定してマットの面積を広くとってはいるが、これを超えてしまうことがあるようだ。
マットの位置を意識し、「ここで落ちたらあそこまで行ってしまうな」と下地を把握して登ります。
無茶なことは控えよう。
2、疲れているときは登らない
ハイステップやキョン(ドロップニー)で膝を痛める。フットホールドが滑って、ぶら下がった瞬間に腕や指を負傷する。力を入れすぎて肩を脱臼をします。
着地時のケガに次いで多いのがムーブ中のケガである。
例えば、普通は曲がらない方向に関節を曲げようとすれば痛みがあるだろうし、登りすぎで疲労がたまっていても体が痛かったり、だるかったりします。
当然、疲労時はケガをしやすい。体は回復に48時間を要し、その前にトレーニングをしてもあまり効果がないというし、ケガは上達を妨げる最も大きな障壁です。
3、人とぶつかる
登っている人の下にはいないこと。
あまり多くはないが、インドアならではの事例として紹介しておきたいのは、フォールした人と下にいた人がぶつかってケガをするパターンです。
どこのジムでも「マットの上では休まない」、「先に登っている人がいるときは近くの課題を登らない」などのルールを告知して注意を促しているが、混雑しているときやビギナーが多いときは混沌として危ないシーンはよくあります。
捻挫をしたら「RICE」の応急処置。
R =安静、I =冷却、C =圧迫・固定、E =挙上の順に行ない、まずは安静にすること。
受傷直後だけでなく、しばらくは安静にしないと治るものも治らない。次に氷嚢など(冷湿布は不可)でアイシングして炎症や腫れを抑え、テーピングなどで圧迫・固定することで壊れた靭帯などが伸びたままになってしまうのを防ぎます。
そして、なるべく心臓より高い位置に患部を上げておくことで炎症の治まりを早めるというのが鉄則だ。
手首や腕の筋を痛めてしまうことも少なくありません。これも一度やってしまうと、中長期的に休養しなければなりませんので、気をつけたいケガの一つですね。指がパキってしまうのと同じで、頑張り過ぎが基本的な原因です。無理な体勢から力を入れて、筋を痛めてしまいます。
手首や腕に違和感を覚えたり、痛みを感じた場合は、無理をしないようにしましょう。慣れてくるに従ってスムーズな足の出し方や重心の取り方が分かってくるので、筋も傷めにくくなってきます。手首の筋を痛めないよう手首にテーピング巻く方もいらっしゃいます。
まれにホールドに腕や足をぶつけることがありますが、パキったり筋を痛めたりするよりは軽度の場合が多いです。やはり気をつけるべきは、指の腱や手首、腕の筋です。
落下時の注意点
万が一のことを考えて危険な登り方はやめましょう。また、足から降りる時は足首をひねらないように着地するのがポイントです。
足首を捻らないためには、かかとから着地することです。履いてみれば分かると思うのですが、クライミングシューズは足にフィットさせるためにつま先がかなり狭い作りになっています。そのため、足の指全体を使って着地することが難しく、足首をひねりやすいのです。かかとから着地する時は、ショックを吸収するようにヒザのクッションを使うことも意識しましょう。
つま先から降りてしまっている方は、怪我に繋がりますので気を付けて下さい。
かかとから着地し重心を落としてヒザのクッションを使うと、安全です。
ボルダリングは楽しみながら運動不足を解消できるスポーツです。目的はゴール地点を目指すことですが、正解は一つではなく同じコースでも色々な登り方があります。体の動かし方はもちろん、指の握り方まで創意工夫できるんです。何回も挑戦と失敗を繰り返して、そのたびに何が悪かったのか考え、次に活かす。それが実ってようやくできたときには、他のことではなかなか得られないような達成感があります。